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Vol.102 カカオショックとはなにか

Writer's picture: refwasedarefwaseda



いつもReFの投稿を見てくださってありがとうございます:)

webチームのNinakoです。今回は、バレンタイン前ということで、チョコレートにまつわる「カカオ豆のサステナビリティ」に着目した記事になっています。


この記事が、みなさんが今年のバレンタインの過ごし方を考え直すきっかけになれば嬉しいです🍫💭


~目次~

1.カカオショックとは「カカオ豆の値段高騰」

2.カカオショックの原因

  ①生産国での供給不足

  ②需要の拡大

  ③物流とインフレ

3.長期化する“カカオショック”

4.まとめ







1.カカオショックとは「カカオ豆の値段高騰」


最近では、バレンタインに向けたニュースや特集が目に留まるようになってきましたが、その中で目立つのは、「カカオショック」という言葉です。その名から想像がつく人もいるかもしれませんが、それは“カカオ豆の値段高騰”を表す言葉で、チョコレートやココアの材料となるカカオが不足して価格が高騰してしまう現象を意味しています。


バレンタインデーを前に、あらゆるチョコレートメーカーが台頭する中で、カカオショックに影響を受けて商品を値上げせざる負えない企業も相次いでいるようです。大手チョコレートメーカーである明治も、チョコレート・スナックの価格改定や内容量を変更した商品を販売しています。


日テレNEWSより)



このように、従来と大きく変わるバレンタインになりそうですが、そもそもこの「カカオショック」はなぜ起きたのでしょうか?







2.カカオショックの原因


①生産国での供給不足


カカオの主要出産国であるコートジボワールやガーナでは、地球変動による異常気象がカカオの栽培に悪影響を与え、不作を巻き起こしているといいます。また、新たな病害虫によるカカオ豆の木の病気が増え、昨年の収穫量は前年比で3〜4割減少したそうです。


そしてもう一つの原因として考えられているのは、労働力の不足です。

カカオ農園で働く若者の減少が深刻化し、労働力の確保が難しくなってきたため、生産効率が低下し、カカオ豆の供給を不安定にさせる要因となっています。


(NGO Ace より)



②需要の増加


世界的にチョコレートの需要は高まっており、特に中国をはじめとするアジアの新興国で消費が拡大しています。その一方で、生産地ではカカオ豆の生産が不安定な状況にあるため、結果として市場価格を上昇させています。


(日本経済新聞より)


③物流とインフレ


2024年も前年に引き続き、物流コストの上昇が続いており、カカオ豆などの食料品に限らず様々な業界にも影響を与えています。物流コスト(運送費、倉庫費用、配送費など)が高いと、栽培時の生産コストが低くても、商品の最終価格にそのコストが上乗せされるため、商品の価格は高くなります。これがまさに、今のカカオ豆の市場価格を表していると言えます。






3.長期化する“カカオショック”



以上に述べた地球温暖化の影響やインフレに加えて、さらに問題視されているのはカカオ豆の生産構造と森林減少の問題です。


カカオの国際取引のほとんどはニューヨークやロンドン、つまり、生産国以外で行われており、先物価格の変動が激しいため、カカオだけでは生産者の収入が安定せず、生産国であるコートジボワールやガーナの人々は、カカオ豆以外の作物の栽培や、他の職業も検討せざるをえません。また、労働者不足による児童労働も確認されており、これらの持続可能でない生産構造は、カカオショックをさらに引き延ばしてしまう可能性も指摘されています*

acejapanより)


また、2の②で述べた「需要の増加」による、カカオ農園の大規模化に伴う森林伐採も問題視されています。アジアや中東では需要が高まる一方で、単価は低いままで生産国では森を切り開いて農園を拡大させ、生産性を高めるしかないのです。


この影響は、カカオ豆を原料とするチョコレートには確実に及ぶと考えられます。







4.まとめ


さて、この「カカオショック」を知ったうえで、今年のバレンタインを予想してみましょう。


もうすでにニュースなどでも報道されていますが、例年通りの価格設定で同じ質のチョコレートを提供することは難しく、大幅な価格上昇や内容量の削減が予想されます。そんな中で、私たちができる「よりサステナブルな」選択はなんでしょうか?


それぞれが考えるサステナバレンタインがあっていいと思いますが、私は以下のような取り組みがあると思います🌱


①フェアトレード商品のチョコレートをプレゼントする

以前、こちらのブログでも紹介しましたが、『第三世界ショップ』というお店ではフォアトレードチョコレートをとても素敵なパッケージで販売していて、プレゼントにおススメです!フェアトレード商品として海外の生産者を支えるだけでなく、ハンディキャップをもった国内のアーティストさんが手がけるパッケージで国内の雇用促進にもつながっています。



「いずれにせよ高いのなら、労働者や環境に配慮したモノを選ぼう」という意識で、是非今年のバレンタインを機にフェアトレード商品を買ってみてください🍫


②チョコレートに代わるプレゼント

「バレンタイン=チョコレート」というイメージが強いですが、カカオショックにおける需要の影響を考慮すると、チョコレートに依存しないバレンタインのあり方を模索することも、一つの手だと言えます。例えば、チョコレートの代わりにお手紙やフラワーギフト(ドライフラワーなど長持ちするもの)を贈るのも気持ちが伝わる上に、よりサステナブルな選択なのではないでしょうか🌎💝







今回は、バレンタインにまつわるカカオ豆の「カカオショック」について取り上げ、それが地球温暖化や労働不足、インフレなど様々な要因が関係している過程をみていきました。


この事実を知ったうえで、あなたが考える「サステナブルなバレンタイン」を、この機会にぜひ考えてみてください💭


最後までご覧いただきありがとうございました!

次の投稿もお楽しみに!;)



 
 
 

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