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Vol. 61 サステナビリティにおける前向きなニュース紹介




こんにちは!ReF4期のNaomiです。


今回の記事では、サステナビリティに関する”ポジティブなニュース”をいくつか紹介させていただきます!

社会問題全般に言えることですが、テレビ等のメディアで目の当たりにするのはネガティブなニュースが大半ではないでしょうか。

そこで、日々流れてくる悲観的なニュースから少し息抜きができればいいなと思い、今年見られた前向きなニュースをいくつかピックアップしてみました。



 

<ヨーロッパ🇪🇺>


  1. 欧州議会が増え続ける包装廃棄物を削減する法律を承認





1つ目のニュースは、ヨーロッパから。

ヨーロッパは世界でもトップスピードで環境規制を行っているイメージがありますよね。


欧州議会(Members of the European Parliament: MEP)は、ここ数年で最も多くのロビー活動が行われたパッケージングおよび包装廃棄物規制(Packaging and Packaging Waste Regulation: PPWR)を採択しました。


現在、EU市民が一人当たり年間平均で190kg近くを廃棄する包装紙・箱・ビン・紙パック・缶を2030年までに5%削減することを目標としています。この目標は、2035年までに10%2040年までに15%に引き上げられる予定です。


現時点までの傾向をみると、政策立案者による緊急の対策がなかった場合、年間の廃棄物が国民一人当たり209kgまでに増加する可能性があるとされています。


これを防ぐために、この法律では再利用・リサイクルの目標設定がされており、2030年までにほぼ全ての包装資材を完全リサイクル可能なものにすることを義務づけています。*1


<アメリカ🇺🇸>

  1. バイデン氏、アースデイに70億ドルの住宅用太陽光発電支援計画を発表




次はアメリカに注目。

大統領のバイデン氏は、4月22日のアースデイを記念し、70億ドルの助成金を発表しました。このソーラー・フォア・オール・プロジェクト(Solar For All Project)は、低・中所得層の90万世帯以上を主に対象とし、また、20万人の雇用を創出するとされています。さらには、3,000万トンの二酸化炭素の排出を削減し、米国の家庭は年間3億ユーロ以上節約できるとの報告がされています。*2


こちらも、実施後の動向と結果に期待ですね!


<フランス🇫🇷>

  1. フランス議員、ファストファッションへの罰則法案を承認





今年の初めに、EUでは売れ残った新品アパレル製品の廃棄を禁止する「衣服廃棄禁止令」が施行されましたよね(ReFで取り上げた投稿はこちらから)。


この法令施行に続き、フランスではファストファッションを罰する法案を承認しました。同法案は、2030年までに個々の衣料品につき最大で10ユーロ(約1670円)の罰則を段階的に強化することと、そのような商品の広告を禁止することを求めています。*3


また、繊維の廃棄問題を受け、フランスはEUに古着の輸出禁止を提案しました。この提案は、スウェーデン・デンマークから支持を得ています。*4


このような政策が、繊維部門の環境負荷を削減し、消費者の購買習慣を見直すイニシアチブになるのではないかと考えています。

サステナブルファッションを推進するReFにとっては特に目が離せないニュースですよね。


<世界🌍>


  1. COP28会議初日、損失と損害(Loss & Damage)に対応する基金の運用化に関する決定が採択





昨年の11月に行われたCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)の初日に採択されたのが、損失と損害に対応する基金の運用化です。この基金は、世界で最も貧しく脆弱な諸国の気候災害の影響に対して運用されます。資金は合計で4億2900米ドル近く集まり、うち、ドイツとアラブ首長国連邦からの出資が資金の大部分を占めています(それぞれ1億米ドルの出資)。*5 また、日本からの出資を紹介すると、1,000万米ドルでした。*6


しかし、開発途上国における損失と損害は、年間4,000億米ドル以上と見積もられており、この額は今後も増加するとされています。*5

今回のような迅速な取り決め・リーダーシップは、世界的な環境保護運動において重要です。一方で、基金の長期的な持続性について懐疑的な声も見受けられます。*5




【まとめ】


ごくごく限られた数でしたが、今回は環境問題・サステナビリティのトピックのうち前向きなニュースを紹介してみました!


今回取り上げたニュースは、国や国際会議の政策等、スケールの大きいものばかりでした。ただ、今回は紹介できなかった他の国々で施行されている政策、地域レベルでの活動等でも多く動きがみられます。


現実的な見通し(悲観的になってしまうこともありますが…)を理解することはもちろんですが、その反面で多くのステークホルダーが世の中を良い場所にしようと働きかけていることを知ることも、自身のモチベーションの向上等の面で大変重要だと思います :)


それでは次回のBlogもお楽しみに!



 

【参考文献】

*1: Hodgson, R. (2024, April 24). MEPs approve law to reduce growing stream of packaging waste. Euronews. https://www.euronews.com/green/2024/04/24/meps-approve-law-to-reduce-growing-stream-of-packaging-waste


*2: Euronews. (2024, April 23). Biden’s Earth Day pledge: Rooftop solar grants could save US households over €300 million a year. Euronews. https://www.euronews.com/green/2024/04/23/bidens-earth-day-pledge-rooftop-solar-grants-could-save-us-households-over-300-million-a-y



*4: Reuters. (2024, March 14). France proposes EU ban on exports of used clothes. Reuters. https://www.reuters.com/business/environment/france-proposes-eu-ban-exports-used-clothes-2024-03-14/


*5: Harvey, F., & Lakhani, N. (2023, November 30). Agreement on loss and damage deal reached on first day of Cop28 talks. The Guardian. https://www.theguardian.com/environment/2023/nov/30/agreement-on-loss-and-damage-deal-expected-on-first-day-of-cop28-talks


*6: 外務省. (2023, December). 損失と損害(ロス&ダメージ)に対応するための新たな資金措置(基金を含む)の運用化に関する決定の採択について. 気候変動. https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/pagew_000001_00015.html


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