こんにちは、web統括のNinakoです:)
クリスマスも近づいてきた本日の投稿では、ホリデーシーズンできっと皆さんも飲む機会があるだろう、「ワインについて」サステナビリティの観点から調べて分かったことをまとめていきたいと思います!
是非最後まで楽しんでください🎄🌟
🍷そもそもワイン造りが環境に及ぼす影響
①発酵時に発生する二酸化炭素
カリフォルニア大学Roger Boulton教授によると、ワインを発酵させるときに排出されるCO2の量は、車や飛行機から排出される量の5倍に相当すると指摘しています。
ワインは、ブドウの中に含まれる糖が酵母の働きによってエチアルコールとCO2に分解され、アルコール発酵が行われることで製造されます。分解された2つのうち、アルコールはワインの主成分として残りますが、CO2は通常そのまま空気中に放出されることになります。
つまり、ワイン製造には必ず、二酸化炭素を発生させる工程が伴うということになります。加えて、アルコールと二酸化炭素の発生量はほぼ等しいため、1リットルのぶどう果汁を発酵させた場合、50リットルのCO2が発生します。これは、車や飛行機の排出する二酸化炭素の5倍濃縮量といわれています。
②「ワインパミス」の大量廃棄
ワインパミスとはワインの搾りかすのことで、製造過程で大量廃棄せざるを得ないワインパミスは、通常焼却されます。ワイン農家ではこの処理において日々多くの二酸化炭素が排出されていることになります。
中には畑に放置されるケースもあるようですが、コバエが悪臭が発生させたり、アルコールを含むためブドウの着色不良や酸味の過失を生む原因となるため、焼却しないからといって放置しておくのも、生産環境に悪影響を及ぼしかねません。
③ボトル製造と運搬
ワインは通常ボトルで販売されています。ワインをグラスの容器で販売する利点としては、次のようなメリットが考えられます。
a) 丈夫なため、棚で保存できる
b)不活性なので酸化で味が落ちない
c)健康被害や汚染物質が含まれていない
d)洗って繰り返し使える
しかしながら、
実はこのワインボトルも環境に大きな悪影響を及ぼしていることが分かりました。ほとんどがボトルで生産されるワインは、他の飲料に比べてはるかに重量で、輸送するために多くの燃料がかかることが予想されます。
生産者によると、ワイン造りのおけるCO2総排出量の51%を輸送やボトル生産が占めているそうです。いかにワインボトルが環境に負荷をかけているかがよくわかります。
そこで近年「サステナビリティ」の概念とともに登場したのがサステナブルワインです。
🍷サステナブルワインとは?✨
「環境や社会に配慮し、自然環境や人々の生活をできるだけ保全する各種の取り組みを実践しながら生産されたワインのこと。」(ENOTECAonlineより)
自然を守りつつ、上質なワインを世代を超えて造り続けるという、まさに「持続可能性」を見据えた生産者の思いがうかがえます。
🍷取り組み事例
栽培における取り組みとして、カリフォルニアとボルドーの例をご紹介します。
【カリフォルニア】
カリフォルニアはワイン造りが盛んな国の一つで、ワイン製造におけるサステナビリティにもいち早く取り組んでいます。干ばつが続くカリフォルニアでは、樽洗浄の水のリサイクル、紫外線照射を用いたタンクの衛生管理、雨水の貯留と利用、点滴灌漑などを行っているそうです。
その結果として、2008年から年間約8,300万リットルの水利用を減らし、年間使用量をほぼ半減させることに成功しました。
また、太陽光発電パネルを設置したり、所有地の半分以上はブドウを植樹せずに周辺環境に配慮するなど、自然の力も活用した取り組みがなされています。
【ボルドー】
赤ワインで有名なボルドーの位置するフランスでは、2011年に発足した環境認証全国委員会(CNCE)による環境認証の発表を受け、取得に向けて様々な目標を掲げてきました。
具体的には、サン・テステフが産地のシャトー・モンローズの醸造に、3000㎡のソーラーパネルを設置することで電気の自給自足を実現しました。その他のワイン会社でも、リサイクル可能な軽量ボトルを採用して輸送時の二酸化炭素削減に努めたり、再生紙を使用したラベルや、100%リサイクル可能なアルミニウムを使用したキャップなど、パッケージにもサステナビリティを意識した工夫がなされています。
🍷日本での事例
サステナブルワインは海外だけでなく、日本でも数々のワイン農園が取り入れています!
今回は、京都府と山梨県の事例をまとめてみました。
【京都府】
まず、京都丹波ワインはSDGs達成に向け、大きく3つに分けて取り組んでいます。その中でも製造過程で行われる、「環境負荷軽減への取り組み」に着目して、ご紹介したいと思います。(詳しくはこちらから)
丹波ワインでは、以下のようなことに取り組んでいます。
・搾汁後の果皮、種子の堆肥化
・プラスティック手提袋有料化
・廃棄物再資源化促進(段ボール・金属類・ビンカレット)
・軽量瓶の使用
・レストランを全て予約制にすることで食品ロスの最小化
・CO2削減の為に倉庫内リフトにバッテリーリフトを使用
・醸造所内の水銀灯、蛍光灯をLED照明に変更
・営業車にハイブリッドカーを使用
搾汁から販売方法まで、実践的な取り組みがされていることがわかります。
【山梨県】
次に、山梨県の取り組みをご紹介します。
山梨県にある株式会社中村商事は、栄養豊富なワインパミスを商品化した、「RE-WINEブランドを立ち上げました。美容や健康志向に焦点を当て、ワインパミスのペーストやパウダー、ジャム、ドリンクを販売しているそうです。
▼ワインパミスシャンプー(¥2,970)
気になる方は公式ウェブサイトで会社の概要や他の商品も見てみてください!👀
[おわりに]
クリスマスシーズンならではの『サステナブルワイン』ブログ、いかがでしたでしょうか✨
ワインの製造過程で必然的に二酸化炭素が発生することや、ワインボトルが環境負荷に繋がっていることなど、私自身も調べてみて初めて知ったことも多くとても勉強になりました!
皆さんも外食やパーティーなどでワインを飲む機会もあると思いますが、是非その際の話のネタにしたり、購入する際の一つの判断基準になれば嬉しいです🍷
~参考文献~
伊藤嘉浩“ワインの発酵時に排出される二酸化炭素は車や飛行機の5倍―研究者”. WORLD FINE WINES online. 2019年2月21日http://www.worldfinewines.com/news19/190221co2impactinfermentation.html#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AF%E3%81%B6%E3%81%A9%E3%81%86%E6%9E%9C%E6%B1%81%E3%81%AE,%E7%82%AD%E7%B4%A0%E3%81%8C%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
(参照2023/12/18)
株式会社サティスファクトリー. “ワイン県「山梨」のワイン造りにおける環境対策”. Satisfactory. 2022年9月19日https://www.sfinter.com/report/post-4035/ (参照2023/12/18)
Betsy Andrews“The Shrinking Foodprints of Glass Wine Bottles ”. SevenFiftyDaily. https://daily.sevenfifty.com/the-shrinking-carbon-footprint-of-glass-wine-bottles/(参照2023/12/18)
エノテカ編集部“サステナブルワインという選択肢”. ENOTECAonline. 2023年7月12日. https://www.enoteca.co.jp/article/archives/20220914135538844/ (参照2023/12/18)
丹波ワイン会社 “ワインづくりを永遠に”. 京都丹波ワイン. https://www.tambawine.co.jp/sustainable/ (参照2023/12/18)
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