こんにちは!6期のNanaです🌼
今回は日本とヨーロッパのファッション業界で追求されている美的基準の違いと、それらがそれぞれの地域で現代ファッションの持続可能性にどうつながっているのかについて掘り下げていきます!
美的基準とは人々が美しさを感じるものや、美を追求するにあたって基準となる要素のことです。
日本とヨーロッパのファッション産業は歴史的背景や文化的な価値観に基づきそれぞれ異なる美的基準を追求しています。両地域に共通する点としては、伝統を尊重しながらも時代に適応しファッションを進化させているということが挙げられます。
しかし、そのアプローチや表現方法には大きな違いがあります。それがどのように現代ファッションに影響を与え、また伝統美の維持に役立っているのでしょうか?
①ヨーロッパのファッション
まず、ヨーロッパのファッション産業は特にフランスやイタリアにおいて古典的な美学に根ざしています。これらの国々ではルネサンスやバロックといった歴史的な時代に培われた美意識がファッションデザインにも大きく影響しています。
フランスのファッションは18世紀の宮廷文化から派生した繊細で豪華なデザインが象徴的でエレガンスと洗練さが重視されてきました。シャネルやディオールなどの有名ブランドはクラシックでありながらモダンな感性を取り入れタイムレスな美を追求しているように見えます。現代のフランスのファッション産業は古典的なシルエットや装飾を現代風にアレンジしつつも伝統的なエレガンスを失わない工夫を通し過去と現在を巧みに融合させ伝統美の持続に繋げています。
また、イタリアのファッション産業も、過去の文化遺産を重要視しています。特にフィレンツェやローマといった都市はルネサンス期の芸術と美術が豊富に残る地域で、その影響を受けたファッションデザインが展開されています。イタリアのデザイナー達は、贅沢な素材や巧みな職人技術を駆使して伝統的な美の象徴であるテーラードジャケットやドレスを現代のライフスタイルに合わせた形で提供しています。グッチやプラダといったブランドも古典美とモダンデザインの両方を取り入れた革新的なアプローチを行っており長年にわたって高い評価を受け続けています。
②日本のファッション
一方、日本のファッション産業はヨーロッパと異なる文化的背景を持っており独自の進化を遂げてきました。日本のファッションは和服や着物といった伝統的な衣服文化に根ざしつつも、現代では大胆なデザインや先進的なアイデアが取り入れられています。
特に20世紀後半からは、イッセイミヤケやヨウジヤマモトなどのデザイナーが伝統的な和服の要素とモダンな要素を融合させたファッションが世界からも注目を集めました。
さらに、日本のファッションは伝統と現代の融合だけでなくサステナビリティの観点でも注目されています。日本の伝統的な染色技術や織物技術は自然素材を利用し環境に優しい製造プロセスが特徴で、前回の記事でもご紹介した着物や浴衣はリサイクルされやすい天然素材で作られています。これにより日本の伝統技術を活かしたファッションは製造プロセスや廃棄プロセスでも環境に負担が少なく、それらを融合することによって持続可能なビジネスモデルが構築できると考えられます。
③まとめ
このように、ヨーロッパと日本のファッションはそれぞれの文化的背景を反映しながらも異なるアプローチで伝統美を維持しています。
ヨーロッパでは、過去の芸術や歴史的デザインに対する敬意が強調されており、特にフランスやイタリアではクラシックでエレガントなデザインが現代にも引き継がれています。一方、日本では伝統的な衣服文化を尊重しつつ、それを現代の技術やデザインに融合させることでの革新を重視していると考えられます。
ファッション市場において伝統美を融合させることは今後さらに重要性を増すと考えられます。主な理由として挙げられるのは広範的なグローバル化です。グローバル化の進展に伴い、より多くの商品に消費者がアクセスできるようになった今、ブランドが生き残るためには商品の差別化を図る必要があります。
ファッションは単なる衣服のデザインだけでなく、独自の文化的背景や歴史的要素を取り入れることで他のブランドとの差別化を図ることができるという特徴があります。トレンド以上に歴史や文化を背景とした独自性のある商品を求める消費者も多くいるため、歴史と現代の融合は伝統美の継承と同時にブランドが市場でポジションを確立する上でも大いにに貢献しています。
ヨーロッパと日本のファッション産業がそれぞれの伝統美をどのように維持し革新しているかは今後のファッション界においても注目すべきテーマです。皆様も今後日本やヨーロッパのファッション製品を目にしたときにはどのように伝統美が表現されているか意識するとまた違う見え方ができるのではないでしょうか。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
参照
"How Paris Became the Fashion Capital of the World." CNN Style, 10 Sept. 2019. https://edition.cnn.com/style/article/paris-fashion-capital-essay/index.html.
Rosenzweig, Roy. "The Cultural Context of Fashion in Japan: From Kimonos to Haute Couture." Journal of Japanese Studies, vol. 30, no. 1, Winter 2021, pp. 23-45.
Kawamura, Yuniya. Fashioning Japanese Subcultures. Bloomsbury, 2012.
Craik, Jennifer. The Face of Fashion: Cultural Studies in Fashion. Routledge, 1994.
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