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Vol.75 Global Waste Crisis



こんにちは。ReFのNaomiです🌞

今回は、世界の廃棄物問題についてブログを書きます。少し難しい問題ですが、私たち一人一人に関連性の高い問題なので、最後まで読んでいただけると嬉しいです!


目次

  1. 廃棄物排出と処理における傾向

  2. 廃棄物管理の重要性(環境汚染・健康被害)

  3. 廃棄物貿易について

  4. まとめ



 



さて!何気ない一日を想像してみましょう。通学途中にコンビニやカフェでプラスチックのコップに入ったコーヒーをテイクアウトする。大学でプラスチックや紙で包装されたお弁当やおにぎりを購入。勉強のお供に〜と飲み物やお菓子を買う。スーパーではプラスチックの袋に入った野菜やフルーツを購入する。ご飯を作る際には野菜の皮を何かしらの袋に入れて捨てる…何をするにあたっても、ある程度のゴミが出てしまいますよね。



環境省によると、日本人一人一日当たりの廃棄物排出量は880gにもなるとのこと。全国の一年間の廃棄物総排出量4,200万トン前後であり、これは東京ドーム約115杯分にもなります。








また、私たちはゴミを出しても、処理段階には関与していないことがほとんどのため、自分の出したゴミがどこで処理されているのかを意識しない人が多いかと思います。






それでは、廃棄物問題について少し学んでいきましょう!




 


  1. 廃棄物排出と処理における傾向


一般的に、国が豊かになると工業化や都市化が進み、住居や消費のパターンが変化し、より幅広い種類の製品が市場に出回るようになります。その結果として、一人当たりの平均廃棄物排出量が増加します。


そこで、世界地域別の一般廃棄物総排出量を比べてみましょう。


以下のグラフは、地域ごとの一般廃棄物の総排出量(水色)一人当たりの排出量(紫)を表しています。


グラフから、総排出量が多い地域でも一人当たりの排出量は比較的低いというケースや、逆に、一人当たりの排出量が最も高い地域でも総排出量は他の地域と比べて少ないという例があることが読み取れます。


地域間の差の要因としては、人口規模消費パターン廃棄物管理システム経済構造など多くのものが挙げられます。ただ、このように地域間の違いが視覚化されると興味深いですよね。





また、地域別で①一般廃棄物組成内訳・②​​廃棄先の2点を比べても、地域間で大きな差があることが分かります。


まず①に関して、都市化の進んだ高所得地域では、生産地と販売地の距離が離れていることから包装用のゴミ、そして利便性を求めた使い捨てゴミの割合が高いです。対して低所得地域では、生ごみ・庭から出るゴミの割合が高くなっています。


②に関して、皆さんも想像がつくかと思いますが、高所得地域の方が廃棄物を処理するインフラが整備されており、リサイクル率も高くなっています。


  1. 適切な廃棄物処理の重要性(環境汚染・健康被害)


廃棄物が適切に処理されないと、主に二つの問題が引き起こされます。環境汚染、そして、健康被害です。


不適切な廃棄物管理は、大気汚染・土壌や水質汚染の原因となります。生態系にとって、このようなゴミの不適切な廃棄は脅威となりえます。例としては、よく話題に上がる海洋プラスチック問題が分かりやすいかと思います。プラスチック汚染は自然のプロセスや生息環境に影響を及ぼし、生態系が気候変動にも適応できなくなる可能性があります。






また、廃棄物を燃やすことで粒子状物質永続的な有機汚染物質が排出されます。これは小さな子供を含め多くの市民に健康被害を及ぼしています。


デング熱やコレラのような伝染病の蔓延や媒介動物の増加など深刻な被害も、不適切な廃棄物処理の結果として引き起こされてしまいます。





  1. 廃棄物の貿易


この最後のセクションでは、廃棄物が各国の間でどのように取引されているのかを見てみます。


世界的な廃棄物貿易(Global Waste Trade)の始まりは、増えてきた廃棄物への単純な経済的なアプローチでした。廃棄物は処理しなければならない。処理やリサイクルは発展途上国でする方が安いため、先進国が自国の廃棄物を発展途上国に輸出するようになったのです。





しかし、廃棄物の輸出に伴う大きな問題は、廃棄物の密輸入でした。「リサイクルできる品目だ」とラベルをつけて、リサイクルのできない廃棄物を送りつけたり、危険物を含んだ廃棄物を送るなど、受け取った側の発展途上国で経済利益にならない、また、健康被害を及ぼす可能性のあるものを先進国が輸出する例が世界中で見受けられました。


さらに、発展途上国における電子機器廃棄物処理も大きな問題となっています。禁止されているものの、「リサイクルできる品目」として電子機器廃棄物が先進国から発展途上国に輸出されるケースがよくみられています。正しく処理がされなかった場合、こちらも環境汚染や大変な健康被害を引き起こす可能性があります。






  1. まとめ


さて、このブログでは、世界の廃棄物状況や廃棄物による悪影響、さらには廃棄物貿易について見てきました。


世界的な廃棄物の問題だけでなく、地域間の所得格差がどのように廃棄物に反映されているのかを知ると、また、世界に対する視点が変わるのではないでしょうか?


また、「世界的な権力構成の一例」と言い表すのが正しいかどうかは皆さんにも質問したい部分ではありますが、廃棄物貿易に見られたような先進国と発展途上国との関係性、また、先進国の「責任」についても考えさせられます。





参考文献


環境省. (2024). 一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)について. In 環境省報道発表. https://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/r4/data/env_press.pdf

Division, I. a. E., Lenkiewicz, Z., Bernardes, F., Erik, D. B., Halpaap, A., Louzada, L., Ramola, A., Filho, C. S., Souza, H. H. S., Smith, J., Ternald, D., & Wilson, D. (2024, February 1). Global Waste Management Outlook 2024 - Beyond an age of waste: Turning Rubbish into a Resource. https://wedocs.unep.org/20.500.11822/44939

Elgar, E. (2008). TRADE AND ENVIRONMENTAL POLITICS. In Handbook on Trade and the Environment. https://doi.org/10.4337/9781848446045

Publications, U. N. (2017). Global Waste Management Outlook. UN

Sembiring, M. (2019). Global Waste Trade Chaos: Rising Environmentalism or Cost-Benefit Analysis? Rising Environmentalism or Cost-Benefit Analysis? on JSTOR. www.jstor.org. https://www.jstor.org/stable/resrep26804

United Nations Environmental Programme. (n.d.). Plastic pollution. UNEP - UN Environment Programme. https://www.unep.org/plastic-pollution. 


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